NEW .L world2025/01/27

伝える人、受け継ぐ人
「歌舞伎NEXT」

 劇団☆新感線の舞台『朧の森に棲む鬼』が、歌舞伎の新作として生まれ変わった歌舞伎NEXT。

東京公演でも話題となりチケット入手困難だった作品が2月に博多座上演。2月4日の開幕を前にダブルキャストを演じる松本幸四郎さんと尾上松也さんが作品の魅力をたっぷり語った。

幸四郎さん
「誰もやったことのない作品が生まれる・生み出すことが今回のテーマ」

松也さん
「これこそが歌舞伎NEXTだ!というものが生まれそうな兆しがある」

歌舞伎NEXTとは、歌舞伎の新たなステージを目指し松竹と劇団☆新感線のタッグで2015年に生まれた歌舞伎。

第一作目は劇団☆新感線の『アテルイ』を歌舞伎NEXT『阿弖流為』として上演。

第二弾となる今回は、同じく劇団☆新感線の作品の中で屈指の人気を誇る『朧の森に棲む鬼』が選ばれた。

本作はシェイクスピアの『リチャード3世』『マクベス』と『酒呑童子伝説』をベースに、徹底的に悪を貫く男を描く。劇団☆新感線版とおなじく中島かずきが作劇、演出をいのうえひでのりという福岡出身の2人が手掛ける。

歌舞伎NEXTとは?
幸四郎さん 「歌舞伎NEXTは、歌舞伎といのうえさん率いる劇団☆新感線チームの作品と音楽や衣裳、道具などを含めて混ぜ合わせると何ができるか?というところからスタートしました。

それで誕生したのが『阿弖流為』で、今作はもっと突っ込んで混ぜ合わせようと思っています。
音楽でも、歌舞伎の竹本とロックを混ぜ合わさりますし、重要なのは歌舞伎の手法を使うことではなく、使ったことでどれだけ効果的になるか。

誰も見たことのない、誰もやったことのない作品が生まれる・生み出すことが今回のテーマです」。

松也さん 「元々、新感線の中島かずきさん、いのうえひでのりさんは、この『朧の森…』に限らず、劇団作品で歌舞伎へのオマージュがたくさん出て来ていまして、どの作品をとっても歌舞伎との相性は良いと思っていました。

その中でも『朧の森…』は歌舞伎NEXTで見てみたいと思っていた作品のひとつです。

上演するからには歌舞伎と新感線の良さが際立って生み出されるものを作り出していくというのがベストだと思います。

これこそが歌舞伎NEXTだ!というものが生まれそうな兆しがあるので、それをぜひ楽しみにしてください」。

さらに2人は、主人公のライを演じないときは武将の一人・サダミツを演じる。

幸四郎さん 「こういったダブルキャストは実は初めて」

松也さん 「最低2回は見てほしい」

と語る。

歌舞伎の新たなチャレンジである歌舞伎NEXT。

これまでの歌舞伎の枠を拡張し新たなエンターテインメントを生み出そうとしている彼らの考えやスタンスは、読者にも刺激になるはず。

お二人の活躍にぜひご注目を。

歌舞伎NEXT
『朧の森に棲む鬼』
2025年2月4日(火)~25日(火)
博多座
A席 16500円 B席 10500円 C席 6500円
詳細はこちら

 

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