Travel2020/05/19
魅惑の大人時間「バンコク」
大都会へと姿を変えつつも歴史と文化が共存。上質な時間が流れるバンコクの今の姿とは。
近年、目覚ましい発展を遂げているタイ・バンコク。高層ビルが林立し急速に近代化が進んでいる。一方で異国情緒あふれる街並みも残り、伝統と近代化が融合した独自の魅力を漂わせている。
福岡からは5時間半程度のフライトで、時差はたった2時間。世界中の旅行者を魅了するバンコクは、ラグジュアリーな大人旅が満喫できる街だった。
2019年、タイを訪れた日本人旅行者は、過去最高の180万人を記録したという。福岡とバンコクを結ぶ直行便は、毎日就航し気軽に行ける外国として地率を確立しつつある。そんなタイは熱帯性気候に属し、バンコクの年間の平均気温は約29度。年間を通して暖かく、福岡が冬の時期に常夏の楽園でバカンス、なんて旅も叶えてくれる。
1782年、ラーマ1世によってバンコクの地へ遷都されて以来、タイの政治・経済・養育文化の中心であり続けてきた。近年、世界渡航先ランキングで世界一になるほど、海外から旅行者が訪れる都市としても有名で「東南アジアのハブ」と称される先進的な国際都市へと成長を遂げている。
タイ旅行と聞いてどんな旅を想像するだろうか。トゥクトゥクや象に乗り、水上マーケットや歴史的な寺院を巡る。そして屋台では安くておいしいタイ料理を堪能。もちろん、そんなスタンダードな過ごし方も押さえておきたいところだが、成長著しい首都バンコクでは、新たな楽しみ方が次々に生まれている。
約800万人が住み、国際都市へと豹変を遂げているバンコク中心部は、摩天楼が立ち並び建設ラッシュが今も続く活気あふれる街。日系や外資系のホテルや大型ショッピングモールが増え、新感覚の飲食店や話題のスポットも新たに誕生している。大都市の賑わいの中、王国の歴史と文化が溶け込むバンコクでは、その両方を合わせて楽しむのが、大人旅にふさわしい。
見上げればモダンな高層ビル群がそびえ、その足元には、華麗な寺院や雑多な雰囲気の屋台が広がり、人々の暮らしの息づかいを感じられる。王宮周辺には、様々な建築様式で造られた寺院や建造物があり、街のいたるところで、黄金に輝く屋根や仏陀像を見ることができる。
タイは、歴史・社会・生活のあらゆるものが仏教徒と関わりのある仏教国。多くの寺院があり、個性が際立った建築物や仏像もたくさん。それだけフォトジェニックなスポットも多い。ただし、寺院は観光地ではなく、あくまで神仰の場。祈りや瞑想をする参拝者への思いやりをもち、マナーを守って訪れたい。
トムヤムクンやガパオなどに代表されるグルメ、コスメにアクセサリー、タイシルクなどのショッピングもバンコクを満喫する上で、絶対に外せない魅力的な要素。屋台や地元客で活気づく定番の飲食店だけでなく、高層ビルが増えたことでバンコクの新たな名物になったルーフトップバーや、知られざる名店にも足を運び、最新のタイグルメも堪能してもらいたい。また、物価が安く、個性的なショッピングモールが激しい競争を広げているバンコクは、買い物天国。お土産を買うスポットに事欠くことはない。
新たなタイの魅力を発見するために
さぁ、バンコクへ!
ビルの屋上で夜景を楽しみながらお酒が飲めるルーフトップバー。開放的な雰囲気を味わえるとあって、バンコクでは夜の人気スポットとなっている。足がすくむほどの絶景ルーフトップバーと言えばバンコクがメッカ。最近のルーフトップバーのオープンラッシュであちこちの高層ビルの屋上に出現している。
中でもとくに有名なのが世界トップクラスの高さを誇る「スカイバー」。眠らないバンコクの街を見下ろす天空のバーは、世界中の観光客を虜にしている。
バンコクでいち早くできた「ヴァーティゴ&ムーンバー」は60階建てのホテル「バンヤンツリー」の屋上にある。静かな場所にあるため、落ち着いた雰囲気。
「ルブア」の屋上は映画「ハングオーバー2」のロケ地になったことで世界的に有名に。ほかのフールトップバーに比べドレスコードが厳しいため要注意だ。
「スカイバー」があるのは、高級ホテル「ルブア」最上階。下の階にはレストラン「シロッコ」もある。夕暮れを待たず、埋まってしまうため予約は必須である。
ザ・ペニンシュラバンコクの1階にある伝統的なタイ料理を振る舞う「ティプタラ」。タイ語で「天国からの水」を意味するティプタラは、チャオプラヤー河畔のダイニングレストラン。味は本場そのものだが辛さは加減してくれる。営業はディナーのみで、空の色が変わり始める時間帯から徐々に客が増え始める。
暗くなると周囲に火が灯され、河畔の煌めきを眺めムーディーな雰囲気に。マメ科の花を使った今注目のタイハーブ「バタフライピー」のカクテルは目の前で作ってくれる。
おすすめはリバーサイドのテラス席。開放感がいっぱいの空間で行きかう船を見ながら、夜風を感じ本格的なタイ料理が堪能できる。
そして、2018年の開業以来新絶景スポットとして大人気の「マハナコーン・スカイウォーク」
そのすぐ下のフロアに2019年7月にオープンしたレストラン&バー「マハナコーン・スカイバー」に日本メディアとして初潜入。
世界的に有名なデザイナーが内装を手掛け、ニューヨークで腕を磨いたシェフがアジアと西洋のミックスさせたオーガニック創作料理を景色と一緒に味わえる。
アート作品が飾られた上質なパウダールームは、快適さとくつろぎ感がたっぷり。広々と使え、化粧直しもラクラク。
チャオプラヤー川に面した ヴィラタイプのリゾート風ホテルがある。10室以下の小さなホテル「チャクラボン・ヴィラ」だが、実は元々王室に関連した建物で、国王・ラマ5世の息子であるチャクラボン王子のために1908年に建てた邸宅だったという。
その後、改装され100年以上前のタイの王族の暮らしぶりが窺えるクラシカルな上品なホテルとなった。熱帯植物が茂る広々とした優雅な庭園が設けられ緑と静寂に包まれている。
川沿いの建物はダイニングルームに改善され宿泊者のために食事を提供しているが、事前に予約をすればディナーのみの利用も可能。「チャクラボン・ヴィラ」で味わえるのはオリジナルレシピによるタイ料理。
メニューはコースのみで、予約を受けてから食材を仕入れ、その日の客のためだけに選び抜いた旬の最高の食材だけを使用し、味付けはもちろん食べやすさまで考慮されたタイの宮廷料理。
食事は最高においしく食べてもらうため手間暇を惜しまない、いわばホスピタリティを集結した料理なのだ。とはいっても、大皿料理で肩ひじ張らずに楽しみながら食事をするのが「チャクラボン・ヴィラ」のスタイル。
チャオプラヤー川と対岸の「ワット・アルン(暁の寺)」を眺めながらプライべート感覚のトクベツなひと時が過ごせる。
タイ・バンコクのラグジュアリーな空間、ホテルステイ編へ続く。
【重要なお知らせ】
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タイ・バンコク特集は
2019年10月発行Vol.5に掲載
No:90