Reco MEN2021/05/15
『挑戦を楽しむ』
JO1「川尻 蓮」 が考える世界への扉を開く鍵
~前編~
2019年、世界的な社会現象となったオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」。約6000人から11人が選ばれ、グローバルボーイズグループとしてデビューしたJO1(ジェイオーワン)。デビューシングルはオリコンチャート1位を記録し、瞬く間に世間にその存在を知られることとなる。単独オンラインライブでは世界中のファン約12万人が参加。アジア最大級の音楽授賞式「2020 MAMA (Mnet ASIAN MUSIC AWRDS)」では今後の活躍が期待されるアジアの新人アーティストに贈られる「Best New Asian Artist」を受賞、公式YouTubeチャンネルの動画合計再生回数が1億回を突破するなど、世界を目指して飛躍するその勢いはとどまるところがない。その他、イヴ・サンローラン・ボーテのオフィシャルビューティパートナー就任、世界的ラグジュアリーブランドのイベントに登場するなど、音楽業界以外でも華々しい活躍が注目されている。
デビュー2年目を迎え、4月28日には「JO1未知の世界へ踏み出す」をテーマとした待望3RDシングル「CHALLENGER(チャレンジャー)」を発売。 表題曲「Born To Be Wild」は「一歩を踏み出し力強く乗り越えていく〝挑戦″」がテーマとなっている。
川尻蓮、福岡出身の24歳。JO1の圧倒的なダンスパフォーマンスの核となっている彼は、19歳までを福岡で過ごす。彼の言葉には「世界」というキーワードが頻繁に出てくる。福岡から夢を追い求め、世界への鍵を手にした彼は、大きな変化の波の中にいても現実を謙虚に捉え、更なる飛躍の準備をしていた。そんな今を生きる「川尻 蓮」が感じていること、そして、地元・福岡へ思うこととは。そのインタビューの全貌を2回にわけて掲載する。
―蓮くんは福岡のご出身ということですが、今回はどれくらいぶりに福岡でしょうか?
そうですね、デビューシングルのPRで来て以来になります。もう1年前ですね。
―そうなると久しぶりの福岡ですね!
そうなんです。やっと帰ってこれたという感じです。
―昨年の鮮烈なデビューから約1年経ちましたが、この1年を振り返ってみてどんな1年、どう過ごした1年だったと思いますか?
そうですね、、「溜め」の1年だったかなと思います。
―「溜め」の1年ということは、情勢的に思うように動けなかったということでしょうか。
はい、デビューしてからのJO1の活動は、まずデビューシングルのリリースイベント中止から始まりました。僕らを含め、たくさんの方々がこの1年は思うような活動ができなかったと思います。自分たちも、動けないこの時期に出来ることは何かを考えながら、活動をしてきました。コロナ情勢が収まって色々な活動ができるようになった時のための「溜め」の時間だったかなと思います。
―「溜め」の時間の中で、具体的にどんなことをしましたか?チャレンジしたことや、メンバーの中で共有したことなど。
JO1のメンバーで僕を含めて3人くらい、作詞作曲の勉強をしました。他にも、僕が振り付けを考えて作って、それをダンスの練習時間にみんなに教えたり。ダンスの楽しさを知ってもらえたらいいなと思って、スキルアップに繋がる時間をメンバーで過ごしました。出来なかったこともたくさんあったんですが、その分、新しい時間の過ごし方をそれぞれ考えていたと思います。
―動けない時間も、新しいことを皆で共有しながらメンバー同士の絆を深めていく、すごくいい雰囲気を感じます。
ありがとうございます。メンバー同士の繋がりも強くなったと思います。
―「夢」への捉え方について聞かせてください。福岡から東京へ行き、チャンスを掴み、世界を目指すグローバルボーイズグループとしてデビュー。更なる活躍が期待されていますが、その大きな「夢」を追う原動力とは、どのような思いが心にあったんでしょうか。
僕の中では「夢」というより「目標」というものに近かったです。「夢」って言うと、遠いものに感じるというか、「夢を叶える」という言葉は漠然としていて大変なイメージに感じてしまうけれど、「目標」と言えば、現実的なものに感じるというか。コツコツと頑張れば達成できる、というイメージになりました。僕は「人は頑張れば何でもできる」と思っています。夢を夢のままで終わらせないために、描く「夢」の途中に「目標」を置く。その目標をコツコツと段階的に達成していければ、目標がいつか夢となって達成できるんじゃないかなって思っています。
―夢を目標という言葉に変える、すごくいい言葉ですね。
目標という形に気持ちを変えると、「そのための行動は何をすべきか」を具体的に考えられそうですよね。
はい、そう思ってます!
―実際に今、世界を見据えて活動をされていますが、その「鍵」となるような自分の中でのポリシーはお持ちでしょうか。
挑戦を続けていると、何事にも壁というか困難が立ちはだかるんだと思います。でも、もし目の前に壁が現れたときは、その壁を乗り越えてもいいし、回り道をしてよけてもいいし、その壁に穴を開けてもいい、色々な方法を試すというか。柔軟性のある考え方を忘れないようにしています。
―試練という壁に対してのポジティブな捉え方をされてきたんですね。
そうですね、自分にとって解決できない無理なことは起こらないと思っています。何か方法を探せば必ず前に進めると思っているので、大切なのはその手段を探すだけなのかなと。
―それは、自身が何かにぶつかりながらも乗り越えてきて、そのような考えに至ったのでしょうか。
僕はダンスがすごく好きで、ずっとダンスをやってきました。今、14年目になるんですけど、僕の周りにもいわゆる〝天才″という人たちがいます。
僕より全然年下なのに、(ダンス)歴もすごく短いのに、めちゃくちゃ上手な子とかいて、悔しい気持ちになるというか。だからなのか、僕は一つの武器を研ぎ続けるだけじゃなくて、ダンス以外のいろんな武器を持とうと思いました。準備して、自分が戦えるステージに引きずり込むというか。もしこの人にダンスで勝てなくても、ダンス以外の要素をプラスすれば勝てるようになるかもしれない、その時の僕はそう考えて前向きになれたと思います。
立ちはだかる壁を前に、発想を切り替えポジティブに捉えるのは簡単なようでいて難しい。自分の才能より長けている存在を身近に感じた瞬間、トップへの道は困難に感じ、秘められた可能性に自身でストップをかける人も多くいる。他者を認め、成長の糧にする。彼が競争しているのは常に過去の自分、昨日より一つでも二つでも進化をし続けるという熱意の連続が、今の川尻蓮を導いてきたのではないだろうか。
~後編に続く~
2021.4.28 ON SALE
JO1 3RD SINGLE 『CHALLENGER』
まだ見たことのない世界に期待を抱いて、一歩を踏みだすJO1。彼らの第二幕のスタートとなるシングル。全6曲のうち、通常版には表題曲であり「ABC-MART NIKE AIR MAX INFINITY 2」のCMソング『Born To Be Wild』 、「キットカット」CMソング『伝えられるなら』、他『君のまま』『Design』の4曲を収録。
PROFILE
川尻 蓮
REN KAWASHIRI
1997年3月2日生まれ、福岡県出身。JO1 ダンスリーダー。
2019年、視聴者投票でメンバーを決めるサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」に参加、グローバルボーイズグループJO1のメンバーに選ばれ2020年デビュー。 JO1の圧倒的なパフォーマンスを支えるダンスリーダー。「2020 MAMA (Mnet ASIAN MUSIC AWARDS)」にて、「Best New Asian Artist」を受賞。
撮影 / 佐藤智彦(CRACK KLAXON)
取材・文 / 松岡夕香
No:193