.L world2023/04/11

「絶対に損をさせない」という理念

経営

顧客にとことん寄り添い、その結果として広がるビジネスチャンスを確実に掴み、今や複数企業を束ねて実業家として活躍する古閑勇佑さん。社会人としてのスタートは、柔道で鍛えた体格と体力を生かした警備会社。「人や資産を〝守る〞という仕事内容にはやりがいもありましたが、もっと〝攻め〞の姿勢で自分の可能性を試したいと思い始めました」。
元々会話のスキルと粘り強さにも自信があった古閑さんは、不動産業界への転身を決意。新たに奮闘する中で気づかされたのは、〝公私に関わらずお客様の想いをすべて受け止めること〞の大切さ。「不動産は人生の中で最も大きな買い物。そこには普段見えにくいオーナー様の想いが必ず紐付いています。小さなやりとりの中から徐々に信頼を得て大いなる想いを託していだいた時、例えようのないやりがいを感じます」。

 

 不動産業界を天職とし、中でもよりハードルが高いとされる投資不動産の分野で名を上げることを決意した古閑さんは、2015年に『株式会社ナイン』設立。コロナ禍や経済停滞、世界情勢不安の逆風を物ともせず、管理物件700戸以上を誇る企業へと成長。その大きな原動力になったのは理念として掲げた「絶対に損をさせない不動産投資」の謳い文句。「日本での不動産投資はどうしてもマイナスのイメージが付きまといます。そのイメージをプラスに変えたい。日々の収支もマイナスから、というのもあり得ない。とにかくメリットを日々感じていただける、投資不動産を楽しいもの嬉しいものに変えていきたかった」。

 

やがて古閑さんの実業家としての勢い
は経済界や財界にも及び、そういったご縁の中から新たなる転機が訪れる。それが「ロストボール事業」だ。環境保護、SDGs、地方創生、雇用創出、そして経済発展への寄与と、世に求められる企業姿勢を全て兼ね備えたような、まさに独立企業を成功させた古閑さんの次なる一手にふさわしいもの。「普段は自他ともに認める冷静さが自慢なのですが(笑)、このロストボール事業の構想が頭に浮かんだときは心が躍りました。その日のうちにスタッフ募集をスタートしたくらいです」。早速『株式会社ワイズグロー』を設立し、自社工場建設にも着手。プロの潜水士が池に潜り、専任スタッフがゴルフ場のゴミまで回収、返球と販売球の仕分け、販売まで一括管理、と不動産業で培ったまさに「絶対に損をさせないアプローチ」でゴルフ場との提携を次々に実現。たった2年で全国70 社以、折からのゴルフブームにも乗って絶賛事業拡大中となっている。

商機と勝機を掴み続ける古閑さん。驚
いたことに、「チャレンジして失敗したことはない」のだそう。その極意を聞いてみると、「形を変えて必ず何らかの結果に結びつけてきた、というだけなのかもしれません。負けず嫌いなので」と笑う。「あと何より前線で戦う僕を頼もしいスタッフ達が24時間バックアップしてくれるので、判断に迷いがないのかもしれないですね」とも。屈強な体躯ながら常に温和な笑みを浮かべる古閑さんの魅力に、影響を受けた人たちが引き寄せられ、新たな事業の構想が向こうから近づいてくる。次なる展開が見られるのもすぐそこなのかもしれない。


Profile
古閑勇佑氏
1987年、福岡県生まれ。高校卒業後、大手総合警備会社に就職。 不動産デベロッパーでの経験を経て、投資物件専門不動産業の『株式 会社ナイン』とロストボール回収・販売業の『株式会社ワイズグロー』を 創業。一般社団法人日本ロストボール協会の副会長も務める。


 

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