NEW CLOSE UP president2026/07/28
福岡の未来をひらく、新たな都市の風景。

「天神ビジネスセンターⅡ」が誕生。

2026年8月4日、福岡・天神に新たなランドマーク「天神ビジネスセンターⅡ」が開業した。

福岡市が推進する「天神ビッグバン」の新たな拠点として誕生した同施設は、地上18階・地下2階。
オフィス、商業、創業支援、ワーカー支援、そしてアートまでをひとつの建築の中に融合させた、これからの都市のあり方を感じさせる複合施設だ。

開業当日に行われたオープニングセレモニーでは、この場所に関わる人々が集い、新しい天神の風景の誕生を祝った。

そこに広がっていたのは、単に新しいオフィスビルが完成したという風景ではない。
働く、集う、食べる、休む、本に触れる。そして、人と人が偶然に出会い、新しいアイデアが生まれていく。
天神ビジネスセンターⅡには、そんな都市の日常を豊かにする仕掛けが随所に散りばめられている。


◉重松象平が描いた、
二つの建築の「ペア」
建物のデザインを手がけたのは、国際的建築設計集団OMAのパートナーであり、ニューヨーク事務所代表を務める建築家・重松象平氏。
FIRST.L Vol.11の「CLOSE UP Executive」でも、世界を舞台に活躍する重松氏を取材し、建築と都市、その先にある未来への視点を紹介している。
建築家・重松象平がみつめる、
都市と建築のこれから Web記事はこちら
2021年に竣工した「天神ビジネスセンター」に続き、今回の天神ビジネスセンターⅡも重松氏がデザインを担当。
二つの建物は同時期に構想され、一般的なツインタワーのように同じ形を反復するのではなく、それぞれが異なる個性を持ちながら、互いを補完し合う「ペア」として設計されている。
第一期が角を大胆にえぐったような象徴的なファサードを持つのに対し、第二期は山と市役所前広場へと開かれた方向性を持つ。
そして、二つの建物の計画の間に起きた大きな変化が、コロナ禍を経て大きく変わった“働くこと”への価値観だった。
その変化が、第二期ならではの空間へとつながっている。

◉7層をつなぐ「アクセラリウム」
その象徴となるのが、地下2階から地上5階まで、7層を立体的につなぐ大空間「アクセラリウム」。
大階段や豊かな植栽を配し、商業施設、ワークスペース、創業支援施設など、異なる機能を緩やかにつないでいる。
オフィスビルの共用部というより、建物の中に都市の広場や公園が入り込んだような場所だ。
その発想は、垂直方向に広がる都市公園「バーティカル・アーバン・パーク」のようなイメージで設計された。
第一期の天神ビジネスセンターが、建物の外部に公共性を生み出すことを意識した建築だったとすれば、第二期では、その公共性を建物の内部へと引き込んでいる。
そこには、働く人だけではなく、本を探す人、カフェを訪れる人、食事を楽しむ人、起業家、イベントを訪れる人など、異なる目的を持った人々が行き交う。
異なる人や考えがぶつかり、交流し、新しいものが生まれる「コリジョンゾーン」という考え方も、この空間を特徴づけるキーワードのひとつだ。
偶然の出会いや会話が、新しいアイデアやビジネスへと発展していく。
そんな都市の“余白”が、オフィスビルの中につくられている。
アクセラリウムの吹き抜けには、アルゼンチン出身でベルリンを拠点に活動するアーティスト、トマス・サラセーノによる「Aerosolar Rhythms(エアロソーラー・リズムズ)」も展示されている。

太陽熱や空気の流れから着想を得た球体が浮遊する光景は、自然、建築、アートが交差するこの場所を象徴する存在でもある。
オープニングセレモニーでは、福岡地所 代表取締役社長・榎本一郎氏をはじめ、入居を予定する企業の代表者らも登壇。福岡地所が大切にしてきた「福岡を面白く」という街づくりへの思いや、ここから新しいビジネスや価値を生み出していくことへの期待が語られた。

2027年には、福岡から数々のコンテンツを世界へ送り出してきたゲーム会社「レベルファイブ」も本社を移転予定。
異なる企業や人が集い、交流することで新しいものを生み出していくという、この建物が目指す姿がすでに始まりつつある。
◉働く場所から、“自分を整える場所”へ。「Reboot!」
天神ビジネスセンターⅡを特徴づけるもうひとつの存在が、入居企業のワーカー専用共用空間「Reboot!(リブート)」。
約1,300坪もの空間に、ラウンジや会議室、カンファレンススペースだけでなく、ジム、シミュレーションゴルフ、スパ・サウナ、仮眠室、ライブラリーなど、多彩な機能を備える。







仕事に集中するだけではなく、身体を動かし、休息し、人と語り、ときには仕事から離れる。



「働く」と「休む」を切り離すのではなく、心身をリカバリーしながら、次の思考や創造へとつなげていく。
カフェラウンジやキッチン付きのミーティングスペースでは、企業の垣根を越えたコミュニケーションやイベントなども想定されている。

オフィスの価値を“どれだけ働けるか”だけで測るのではなく、そこでどんな時間を過ごし、誰と出会い、どんな発想が生まれるのかへ。
これからの働き方を象徴する、新しいオフィスアメニティの形だ。
◉本とコーヒー、食がつくる新しい日常
天神ビジネスセンターⅡは、オフィスワーカーだけに閉じられた場所ではない。
2〜3階には「ジュンク堂書店 福岡店」が約6年ぶりに天神エリアへ復帰。
約900坪の空間に約55万冊を揃え、文具・雑貨、ギャラリー、「MARUZEN cafe」、ラウンジ「hour lounge 本拠地」などを備える

本を“買う”ためだけではなく、本とともに過ごし、思考を巡らせる時間そのものを楽しむ場所へ。
1階には、日本初出店となるアルプス料理レストラン「Käfer ALPS KITCHEN」、九州初出店の「スターバックス リザーブ® カフェ」も登場。
地下2階には「天神グルメストリート 天神イナチカ SOUTH side」が広がり、既存エリアと合わせて22店舗が集積するグルメゾーンへと進化した。

ランチ、コーヒーブレイク、仕事帰りの一杯、休日のディナー。
ビジネスのためだけではなく、街で過ごす時間そのものを豊かにする場所が、一つの建築の中でつながっている。
◉福岡だからこそ生まれた、新しい都市のスケール
東京のような巨大な超高層都市でもなく、小さな雑居ビルが連続する街でもない。
大きすぎず、小さすぎない。
その絶妙な都市のスケール感こそが福岡の特徴であり、だからこそ、少し大胆で独自性のある建築に挑戦できる。
「これは福岡にしか生まれないデザイン」。
オープニングセレモニーで語られたその言葉には、この建築だけではなく、変化を続ける福岡という街そのものへの視線が込められている。

2021年に誕生した天神ビジネスセンターと、今回開業した天神ビジネスセンターⅡ。
二つの建築が向き合うことで生まれた新しい都市の風景は、福岡が次のステージへ進みつつあることを物語っている。
働く場所と、休む場所。
ビジネスと、カルチャー。
人と人。
建築と、アート。
そして福岡と、世界。
それぞれを分けるのではなく、緩やかにつなぎ合わせる。
天神ビジネスセンターⅡは、単なる新しいオフィスビルではない。
ここからどんな人が出会い、どんなアイデアが生まれ、福岡からどんな新しい価値が世界へと広がっていくのか。
その未来まで含めて、この場所の完成なのかもしれない。
所在地:福岡県福岡市中央区天神1丁目10番10号
開業:2026年8月4日
階数:地上18階・地下2階
建物デザイン:重松象平/OMA
主な施設:オフィス、Reboot!、Fukuoka Innovation Lab. Tenjin、ジュンク堂書店 福岡店、天神グルメストリート 天神イナチカ SOUTH sideほか
No:374





.jpg)




.jpg)







