Travel2022/11/29
推し旅!「黒川温泉の粋な魅力」 in 熊本
日本の原風景が残る清らかな温泉郷と、めぐるのが楽しい露天風呂。なぜ黒川温泉がこんなに魅力的なのか。
それはこの土地を愛する人たちの志が、しっかりと盛り込まれているから。黒川の歴史を紐解くことでもっと好きになる、余韻に満ちた美しさがあります。
魅力.1 風情
その名の響きだけで、心をほぐしてくれる土地はそうそうない。
1980年代から取り組んできた、宿主たちを中心とする黒川独自の街づくりだが、現在は宿主たちは代替わりをし、新しい後継者たちが事業を引き継ごうとしている。黒川にある美しい日本の原風景をそのままに、宿には現代の快適性を取り入れ、これまでとこれからの黒川ブランドは、風情を残しつつも新しい魅力を生み出している。
熊本の里山で静かに湯けむりを上げ続ける黒川は、どこを歩いても豊かな緑が目に眩しい温泉街だ。昔から変わらないように見える田舎の雰囲気も、自然美と調和した露天風呂も、宿主を中心とした黒川温泉全体の共有財産としてつくられている。この街のホスピタリティ、それは1986年から毎年植樹を行うことで修復を進めてきた風景づくりがベースとなっている。
魅力.2 お湯
たぷたぷと湧き出ずる豊富な湯量。黒川温泉の代名詞の1つが、豊富な源泉と泉質の種類の多さにある。1つの温泉地で7種類もの泉質を満喫することができ(弱酸性、弱アルカリ性、硫黄、炭酸水素塩、塩化物・硫酸塩、含鉄、酸性)、宿やお風呂のつくりなどロケーションで選んだり、泉質と効能に着目して源泉かけ流しの宿から宿へ湯めぐりをするなど、思い思いのお風呂とお湯を堪能できる。
また、泉質を組み合わせて入浴することで新たな効果が期待できるのも、複数の泉質を持つ黒川温泉ならではの魅力。入湯手形を利用すれば、お得に露天風呂の立ち寄り湯めぐりができ、旅情を誘う温泉街でのんびり過ごせるのも黒川温泉の醍醐味。
魅力.3.洒落
日本のトラディショナルさを残しつつ、現代の快適性を融合させた黒川温泉の宿は、現在30あまりの宿が点在し、それぞれの宿の中は古き良き木造建築や昔ながらの調度品や照明、和の空間演出、お部屋によっては露天風呂がついているなど、趣向を凝らした空間となっている。また、離れの宿が多いのも特徴で、おこもり滞在にも最適だ。
豊かな静けさに満ち、ノスタルジックでありながらモダンで、穏やかなのに華やか。道をゆけば宿々が静寂な佇まいで軒を構え、昔と変わらない自然と里山の風景が旅人をしとやかにもてなす。黒川にしかない旅情が、旅人の目を和ませてくれる。
寒い冬は、温かなお湯に浸かりながら雪化粧を施した景色を眺め、ふ~っとひと息つく。最高に贅沢なひとときだ。
魅力.4 美食
各宿でいただけるのは、里山ならではの自然の恵みをふんだんに使った季節感ある創作会席料理の数々。山の素材を使った料理は目に美しく、香り豊かでなんとも滋味深い。
また、熊本ならではの馬刺しやブランド牛・あか牛を使った料理にも力を入れており、噛み締める度に肉の旨みが口いっぱいに広がる。心のこもった手厚いもてなしと料理に、心が洗われるよう。
魅力.5 大人の時間
食事の後は雰囲気を変え、Barでお酒を愉しむ。一人で物思いに耽る夜も誰かと語らう夜も、物語のある場所で飲むお酒は幸せなひとときを彩ってくれる。
1日の疲れを美味しいお酒で締めくくり、それが至福の時となる。
魅力.6 散策
黒川温泉は環境や自然を大切に守りながら、地に足の着いた街づくりをしてきたこの土地を愛する人たちの想いと歴史が景観となって彩られている。
日本には至る所に温泉があり、人々の疲弊した身体や消耗した心を癒してきた。ただし今の時代、ただ温泉が山懐に湧いているだけでは人は集まらない。黒川温泉郷が名湯として愛される理由、その1つが景観だ。ゆるやかに広がる風景に、昔ながらの伝統的な和をしっかりと残した街づくりをしている。
日本の四季、風情を感じ、訪れる度に美しさや情緒を心で感じる事ができる。
この美しい里山風景をつくりあげたのが、先代の宿主たちだ。浮ついた賑わいに動じることなく、この地のあるべき姿を必死に模索してきた姿が、静かに佇む宿や街並みから窺える。そう、名湯・黒川とは、宿主たちの努力によって生み出してきた歴史なのだ。
黒川温泉といえば、入湯手形を思いつく人も多いはず。通常1枚で3カ所の露天風呂をめぐることができる1,300円の「入湯手形」は、2023年6月末まで3カ所の露天風呂巡りを2カ所の露天風呂+ビールやコーヒー、お団子などの飲食やお土産に交換することもできる。
今では風物詩となった湯灯りも今年で11年目を迎える。幻想的な灯りが冬の寒い黒川をあたたかく彩り、多くの人たちが訪れるようになった。黒川温泉郷にあるのはつややかでしっとりとしたホスピタリティ。清らかな佇まいが、旅の質感を生み出していくのだ。
改めて感じる黒川温泉の魅力。あなたも大切な人と訪れてみてはいかがでしょうか。
黒川温泉観光旅館協同組合
〒869-2402
熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6594−3
0967-44-0076
Instagram: @kurokawaonsen
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