.L world2020/05/15

「社長プロフィール」繁盛店に必要なのは理念

熱男モチベーション

「社長プロフィール」繁盛店に必要なのは理念

立ちはだかる常識を覆してスタッフの夢を応援したい天神・大名エリアに店を構える飲食店「エース」の勢いが止まらない。2018年は、春吉に出店をした。
各店舗の繁盛ぶりは有名だが、代表の佐藤さんは「スタッフにはしっかり休んで余暇を楽しみ、家族を幸せにしなさいと口酸っぱく伝えています。」と語る。給料が安い、ボーナスがない、休みがない福利厚生なしなど、飲食業界で長年培われてきた暗黙のルール。
「夢ややりがいを求めて飲食に飛び込む人が多いのに、このようなルールの下では心も体もついていかない。どんなに好きな仕事でも、持続は厳しいと思うんです」。

そこで、佐藤さんはこの常識に真っ向から立ち向かう。どの店舗も定休日を設けず会社命令として、スタッフは月に6日は必ず休むようにシフトを組む。しかし、休む時に店を任せられる人材がいるかどうかが問題だ。「特に料理人は人に任せるのが苦手な人が多いんです。自分が大切にしている仕事を他者に任せる事で、相手の成長につながる。相手の成長を自分のことのように喜べる、そのような常識を持つ人材を育てています」。

料理人の休みの確保ができず、今年大名にあった「中華のAce」の閉店を決意した。「利益は出ていたけれど休みがなければスタッフの笑顔を引き出すことができない。優先順位を明確にしているので、迷うことなく決めました」。相手に伝えるには言語や数値化する事が大事、自分の手が届く範囲でしかこの気持ちを届けることはできないけれど、おいしいごはんを食べて幸せな気持ちになってほしい。これはお客様やスタッフ問わず誰に対しても同じと佐藤さんは話す。

「最初から成果ばかりを求める人が世の中には多いけれど、時給だけを稼ぎに来ているのなら長続きはしない。でもその先にある理念を説き、今この場所で何ができるのかを各自考える習慣を促しています。お茶の作り方一つをとっても理念を意識してつくるのとつくらないのでは味が大きく変わるんですよ」。和食の料理人を経て経営者となった佐藤さん。だから調理もお手のものだ。佐藤さんは今も「えーす」の各店舗に立ち自分の目や耳でお客様やスタッフの温度を感じながら第一線で動いている。

 

 

Profile
株式会社エースフードサービス
代表取締役 佐藤教行 氏
1984年生まれ。和食の料理人として
大阪と福岡で修業を重ねる。
「料理人時代、経営の勉強をしようと
包丁一本のみを抱えてヒッチハイクで
東京まで行ったんです。
その時、基山で拾ってもらった
サカイ引越センターの人とは
今でも仲良し!」と佐藤さん。
経営を学んだあと、28歳で独立。
現在、双子の女の子のパパでもある。

 

 

interview 2018年10月発行
Vol.4掲載記事より

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No:52

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